平坦な道を歩くはずだった出来レースなのにね
躓いて足をとられ
追い越していく人
焦ってジタバタしてみるけど
近道なんてありはしないもんな
どっか急かす声がして
ふっと振り向いたとき
そっと頬を濡らす雨垂れが ほら
通り雨に打たれ 傘も無く俯いて
僕らは佇むしかなくても
堰を切ったみたいに 溢れ出た涙なら
隠してくれるから
ゴールテープはきっと
最初っから僕のものじゃない
分かりきっていた事だろ なのに
ずっと耐えたフリで
ぐっと歪んだ顔で
「もっともっと」ってまだ希(こいねが)うのさ ほら
通り雨に濡れて 乾いた砂は
この種が芽吹く場所へ変わるから
どんな花を咲かそう?
まだ幼いこの芽を枯らさないように
平坦なレースコースの上
見落としてきた物
足を止めたとき
見つけた宝物
通り雨の先に 光る七色に
僕ら出会えたそれを忘れないよ
その色にもう一つ 花の色も添えたら
もうそこは 僕らだけのスタートラインさ
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